外国人が受け取れる「脱退一時金」とは?|条件と手続きガイド
この記事では、脱退一時金のしくみや手続きについて説明します。
「もらえる条件」や「手続きのやり方」「もらえるお金の目安」など、よくある質問にも答えます。
「自分はもらえるのかな?」と思っている外国人の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
- 1. 脱退一時金ってなに?
- 2. もらえる人の条件は?
- 3. いくらもらえる?年金の種類と計算
- 4. 手続きのステップ【出国後に必要】
- 5. 社会保障協定ってなに?
- 6 よくある質問(Q&A)
- 8. まとめ|正しく申請して、お金をもらおう
■脱退一時金ってなに?
脱退一時金は、日本で働いた外国人が、国に帰るときに年金の一部をお金として受けとれる制度です。
日本では、会社などで働くと「年金保険」に入ります。
ふつうは、長い間(10年など)日本に住んでいないと年金をもらえません。
でも、外国人の人が日本にすこしの間だけ住んで働いたあとに国へ帰ると、年金がもらえないままになります。
そのため、日本では「脱退一時金」という制度をつくって、支払ったお金の一部を返すしくみがあります。
■もらえる人の条件は?
脱退一時金は、だれでももらえるわけではありません。
つぎの「7つの条件」をすべて満たしている人だけが、申請できます。
自分があてはまるか、チェックしてみましょう。
✅ 外国人で、日本国籍がない
✅ 日本に住んでいない(すでに帰国している)
✅ 日本の年金保険に入っていない
✅ 年金保険に「6か月以上」入っていた
✅ 年金をまだもらっていない(老後や障がいの年金)
✅ 日本を出たあと、2年以内に手続きしている
✅ 年金を10年以上払っていない(老後年金の権利がない)
上のすべてに「はい」と答えられた人は、脱退一時金を受けとれる可能性があります。
つぎの章では、どのくらいのお金がもらえるかを説明します。
■いくらもらえる?年金の種類と計算
脱退一時金でもらえるお金は、人によってちがいます。
「どの年金に入っていたか」「どのくらい働いたか」で金額が変わります。
日本の年金には、2つの種類があります。
①国民年金:自分で保険料を払う人(フリーランスなど)
②厚生年金:会社で働いて、給料から引かれて払う人
①国民年金のモデルケース(1か月の保険料:16,000円の場合)
| 払った期間 | もらえる目安 |
|---|---|
| 6か月 | 約48,000円 |
| 1年 | 約96,000円 |
| 3年 | 約144,000円 |
②厚生年金のモデルケース(平均月給:200,000円の場合)
| 働いた期間 | もらえる目安 |
|---|---|
| 6か月 | 約75,000円 |
| 1年 | 約150,000円 |
| 3年 | 約225,000円 |
| 5年 | 約375,000円 |
※金額はあくまで目安です。正確な金額は年金機構などで確認してください。
■手続きのステップ(出国後に必要)
脱退一時金は、日本にいない外国人だけが申請できます。
つまり、出国してから手続きをしなければなりません。
【手続きのながれ】
①日本を出国する
日本の住民票を「転出」にして出国します。
②必要な書類をあつめる
たとえばパスポートのコピー、口座情報、年金手帳などです。
③脱退一時金の申請書をかく
外国語つきの申請書があります。日本年金機構のサイトからダウンロードできます。
④日本年金機構に郵送または電子申請する
出国してから2年以内に手続きをしてください。
⑤お金が自分の銀行口座にふりこまれる
通常は、申請から数か月後に海外の口座にふりこまれます。
書類のくわしい内容は、つぎのページで確認できます:
日本年金機構 公式サイト
■社会保障協定ってなに?
社会保障協定(しゃかいほしょうきょうてい)は、日本とほかの国とのあいだで、年金制度をむすぶ約束です。
この協定があると、日本で年金を払った期間を、自分の国の年金と合計してもらえることがあります。
つまり、日本で払った分を「脱退一時金」としてもらわず、母国で年金として受けとります。
ただし、脱退一時金をもらうと、期間の合計はできなくなるので注意してください。
【日本と社会保障協定がある国(一部)】
アメリカ / フィリピン/ 韓国 / 中国 / ブラジル / ドイツ / フランス / オーストラリア / ベトナム / イタリア
くわしくは、日本年金機構の社会保障協定ページを確認してください。
■よくある質問(Q&A)
- Q1. 脱退一時金をもらったら、日本にまた来て働けませんか?
- A. いいえ、また日本に来て働くことはできます。ただし、脱退一時金をもらった年金の期間は、新しい年金に合算されません。
- Q2. 日本にまだ住んでいるけど、申請できますか?
- A. できません。脱退一時金は、日本に住んでいない外国人だけが申請できます。出国してから手続きしてください。
- Q3. 何年までの年金が戻ってきますか?
- A. 最大で5年分までの年金が戻ってきます。それより前の分は戻りません。
- Q4. 申請してから、いつお金がもらえますか?
- A. 申請書を出してから、ふつうは4か月〜6か月で自分の口座にお金が振り込まれます。
■まとめ|正しく申請して、お金をもらおう
脱退一時金は、日本で働いた外国人が、国に帰ったあとに年金の一部を受け取れる制度です。
大切なポイントは以下のとおりです。
✅ 日本に住んでいない外国人だけが申請できる
✅ 国民年金・厚生年金の種類によって金額が変わる
✅ 出国してから2年以内に申請が必要
✅ 自分の国と日本が社会保障協定を結んでいるか確認する
✅ 手続きをすれば、数か月でお金が振り込まれる
脱退一時金の制度をしっかり知って、もらえるお金をのがさないようにしましょう。
日本の制度や情報について知りたい人は、YOLO JAPANに無料登録して情報を受け取ることができます。
English
Chinese
Korean
Japanese
Vietnamese
Portuguese