日本には、「業務委託」という働き方があります。
これは、会社の社員として働くのではなく、仕事をうけて自分で働くスタイルです。
時間や場所にしばられず、自分のペースで働けるのが特ちょうです。
でも、在留資格によっては業務委託で働くことができないケースもあります。
よく知らずに応募すると、ビザのルールに合わないこともあります。
このコラムでは、業務委託の特ちょうや注意することを説明します。
あなたのビザでできる仕事を知って、安心して働けるようにしましょう。
このガイドの目的
・業務委託のしくみと、雇用契約とのちがいを理解する
・在留資格のOK・NGを知り、ミスマッチを防ぐ
・YOLO JAPANで、自分に合う働き方を見つける
関連コラム:働き方のちがいを学ぶ
目次:この記事でわかること
1. 業務委託とは?
2. 外国人は業務委託で働ける?
3. 業務委託のメリットと注意点
4. よくある質問(FAQ)
5. 業務委託の探し方と働くまでの流れ
6. まとめ
業務委託とは?
「業務委託」は、会社の社員としてはたらくのではなく、会社から仕事をうけて自分の責任でおこなう働き方です。
会社とのあいだには「雇用契約」ではなく、「業務委託契約」や「請負契約」などの仕事の契約を結びます。
たとえば、会社から「このデザインを作ってください」「この仕事を手伝ってください」とたのまれ、
その仕事が終わったら報酬(お金)をもらうような形です。
「会社に時間でしばられる」働き方ではなく、「成果に対してお金をもらう」スタイルです。
業務委託の人は、会社のルール(勤務時間・休み・残業など)にはしばられません。
自分で時間を決めて、仕事をえらび、自由に働くことができます。
そのかわり、社会保険や税金などを自分で手続きしなければなりません。
📘 かんたんに言うと
・「会社員」=会社のルールで働く、毎月決まった給料をもらう
・「業務委託」=自分で仕事をえらび、終わった分だけ報酬をもらう
このように、業務委託は自由が大きい反面、すべて自分の責任で仕事を進める働き方です。
次の章では、どんな在留資格なら業務委託で働けるかを見ていきましょう。
外国人は業務委託で働ける?
業務委託で働けるかどうかは、あなたの在留資格(ビザ)でちがいます。
自分のビザでできること/できないことを正しく知ることが大切です。
⚠ 大切なポイント
・ビザのルールに合わない働き方は、不法就労になるおそれがあります。
・同じ在留資格でも、契約内容・仕事の内容によって判断が変わります。
・わからないときは、会社・行政書士・入管にかならず確認しましょう。
| 在留資格 | 働ける? | ポイント |
|---|---|---|
| 永住者/日本人の配偶者等/定住者 | ◎ できる | ・就労制限がありません。 ・会社員・アルバイト・業務委託など自由に働けます。 |
| 特定活動(ワーキング・ホリデーのみ) | ◎ できる | ・短期の生活費をおぎなうための就労が認められています。 ・内容が目的(文化交流・体験)から外れないよう注意しましょう。 |
| 経営・管理 | ◎ できる | ・自分の会社を作って仕事をうける形も可能です。 ・事業計画・契約・売上などの実績が必要です。 |
| 技術・人文知識・国際業務 | △ 条件付きで可 | ・契約形態が「雇用」でなくても、業務内容が専門的であれば認められる場合があります。 ・契約内容・継続性・報酬の安定性を証明できる書類が必要です。 ・行政書士などの専門家に相談しましょう。 |
| 留学(資格外活動許可あり) | △ 許可があれば可能(時間制限あり) | ・資格外活動許可をとれば、週28時間以内の就労ができます。 ・ただし、業務委託は報酬や時間の管理がむずかしいため、注意が必要です。 |
| 家族滞在(資格外活動許可あり) | △ 許可があれば可能(時間制限あり) | ・資格外活動許可をとれば、週28時間以内の就労ができます。 ・雇用契約が基本ですが、業務委託をする場合は勤務実態の管理に注意しましょう。 |
| 特定技能(1号・2号) | × できない | ・受入れ機関との雇用契約が必要です。 ・業務委託は対象外です。 |
| 技能実習 | × できない | ・実習が目的のため、報酬を目的とした業務委託はできません。 |
参考情報:
・法務省 出入国在留管理庁「在留資格一覧・該当性判断基準」
・法務省告示第131号「技術・人文知識・国際業務に関する基準」
・出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
業務委託のメリットと注意点
業務委託には、会社員にはない自由さや成長のチャンスがあります。
その一方で、リスクや責任も自分で負う必要があります。
メリットと注意点の両方を知って、安心して働けるようにしましょう。
☆ 業務委託のメリット
業務委託には、次のような良い点があります。
・時間や場所にしばられず、自由に働ける
・自分のスキルをいかして仕事をえらべる
・成果に応じて報酬がアップすることもある
・副業や短期の仕事にもチャレンジしやすい
・さまざまな会社・人と関わりながら経験をつめる
このように、業務委託は「自分の働き方をえらびたい人」に向いています。
スキルアップ・キャリアアップを目指す外国人にも人気の働き方です。
⚠ 業務委託の注意点・リスク
業務委託で働くときには次のような点に気をつけましょう。
・仕事がない期間は収入がゼロになることがある
・会社員のような社会保険(健康保険・年金)に自動加入されない
・自分で税金(確定申告)を行う必要がある
・契約内容によってはトラブル(支払い・責任)のリスクがある
・在留資格の条件を守らないと、不法就労になるおそれがある
💡 ワンポイントアドバイス
・契約内容はかならず書面で確認しましょう。
・支払い日・金額・業務範囲が明記されているか確認するのが大切です。
・わからないときは、会社や行政書士に相談しましょう。
まとめ
業務委託は、自由でやりがいのある働き方です。
しかし、ビザの条件や契約の内容を正しく理解していないと、思わぬトラブルにつながることもあります。
自分の状況に合う働き方をえらび、安心してキャリアをのばしていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 業務委託とアルバイトはどうちがいますか?
・アルバイト:会社と雇用契約をむすび、シフトなど会社のルールで働きます。
・業務委託:会社と仕事の契約(業務委託契約など)をむすび、成果に対して報酬をもらいます。時間や場所は自分で決めることが多いです。
Q2. 特定技能や技能実習でも業務委託で働けますか?
・いいえ。特定技能は雇用契約が必要、技能実習は実習が目的のため、業務委託はできません。
・くわしくは、上の「外国人は業務委託で働ける?」の表を見てください。(在留資格のルールへ)
Q3. 税金や保険の手続きはどうなりますか?
・業務委託では、自分で確定申告をおこないます(年1回)。
・健康保険や年金は、自分で加入・支払いを管理します(例:国民健康保険・国民年金など)。
・住民税もふくめ、金額やしめ切りを忘れないように注意しましょう。
Q4. 契約をむすぶとき、何に気をつければいいですか?
・契約書をかならず読み、わからない点は質問しましょう。
・業務内容・成果物・報酬金額・支払い日・期間・再委託の可否・秘密保持・トラブル時のルールを確認。
・会社の指示で社員のように時間管理・指揮命令されると、トラブルのリスクがあります。
Q5. YOLO JAPANで業務委託の求人はどこで探せますか?
・「業務委託の仕事」ページからチェックできます。
・自分のビザに合うか、応募前に必ず確認してから申し込みましょう。
業務委託の探し方と働くまでの流れ(YOLO JAPAN活用ガイド)
YOLO JAPANでは、業務委託の仕事をかんたんに探せます。
ここでは、仕事を見つけるステップと、働く前に知っておきたいポイントを説明します。
1. 探し方
1. 「業務委託の仕事」ページを開く
業務委託の仕事を見る
2. ページで条件をえらぶ
・キーワード例:デリバリー/翻訳/動画編集/デザイン/マーケティング/接客 など
・エリアや日本語レベルなども設定しましょう。
3. 応募前に契約条件を確認
報酬、業務内容、勤務時間、勤務地などを確認
4. プロフィールを最新に更新してから応募
言語スキル、職歴、自己PRを書く
2. よくある業務委託の仕事(例)
・配達・デリバリー/軽作業(短時間OK)
・翻訳・通訳/カスタマーサポート(多言語)
・動画編集・デザイン・Web制作(在宅OK)
・SNS運用・マーケティング・ライティング
・イベント運営サポート/リサーチ・モニター
3. 働く前にチェックすること
・在留資格:自分のビザで業務委託ができるか(時間制限の有無)
・契約:業務内容/成果物/支払い条件/期間/秘密保持/再委託の可否
・業務のやり方:連絡ツール(メール/チャット)・納期・検収ルール
・請求:請求書の出し方・締め日・支払日・手数料の有無
・トラブル対応:修正回数・キャンセル時の扱い・遅延時の連絡先
4. 応募~仕事開始の流れ
1. 求人をえらぶ → 応募(プロフィール・メッセージ送付)
2. 面談・テスト(必要な場合)
3. 契約内容の最終確認(条件・納期・報酬)
4. 契約書の取り交わし・在留資格の確認
5. 業務スタート → 納品 → 検収 → 請求書 → 支払い
⚠ 大切なポイント
・在留資格のルールに合わない働き方は不法就労になるおそれがあります。
・不安があるときは、会社・専門家・入管に相談しましょう。
・契約内容は書面で保存し、支払い条件と納期を必ず確認してください。
まとめ
・業務委託は、会社員ではなく仕事の契約で働くスタイルです。
・自由に働ける一方で、税金や保険、スケジュール管理は自分でおこないます。
・外国人が働けるかは在留資格でちがいます。まずはルールを確認しましょう。
・不安な点は、会社・専門家・入管に相談してトラブルを防ぐことが大切です。
次のステップ
1. 自分のビザでできることを確認する
2. 希望の仕事ジャンル・働ける時間・報酬の目安を決める
3. プロフィールを最新に更新して、実績や得意分野を書き足す
4. 気になる求人をえらび、契約条件(報酬・納期・業務内容)をチェックしてから応募
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